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平成28年7月30日(土) 大阪国際会議場グランキューブ大阪
 
     
  平成28年度初回,第136回研究会を7月30日(土)に大阪国際会議場グランキューブで開催いたしました.研究会風景を報告します。  
     
 
今年の7月30日は,うなぎを食べるのが習慣となっている『土用の丑の日』と重なり,最高気温36.0℃まで上昇しました。朝からうだるような暑さの中,外気温に負けない熱心な439名の方が研究会に参加されました。
 
 
研究会開催にあたり本研究会役員吉田俊晴よりご挨拶。
 
 
講演
午前の講演では,低温滅菌に焦点を当て,「安易に使用していませんか?」「なぜ?」「なに?」「どうして?」と疑問形で綴り,ルーチンワークになっている日常業務を一度立ち止まって振り返ってみてはいかがでしょうか?というテーマで4名の講師の先生をお招きしました。

低温滅菌について考える ~皆さん安易に使用していませんか~




1. 低温滅菌の基本的な滅菌要件
済生会滋賀県病院 感染管理認定看護師 河野奈美子先生
 
 
2. なぜ?なに?どうして滅菌できるの?
1)酸化エチレンガス サクラ精機株式会社 城之内幸宏先生
 
 

2)過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌  株式会社エムエス井上尚先生

 
 
3)低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌  株式会社ウドノ医機 栗原靖弘先生
 
 
滅菌の第1選択は「高圧蒸気滅菌」であるとこはいうまでもありません。しかし,複雑でコストの高い医療器具の中には合成素材が使用されている器具も多く存在し,熱や湿気に弱い器具の再処理の場合に「低温滅菌」を使用しています。 今回3種類の低温滅菌法について,それぞれの特性(長所・短所)を詳しく説明していただきました。重要なことは,これが唯一の滅菌法だというものを選ぶことではなくそれぞれの特性を理解し,上手に各種低温滅菌を使いこなすことです。 また,本内容から容易に低温滅菌物を増やしていないか今一度,自施設の運用を見直す一助になればと思います 。
 
昼食 医療機器展示 質問コーナー

今回も,たくさんの企業の協力により展示ブースも盛況です。展示企業は,26社です。 休憩中には,Q&Aも開催しています。日常で困っていること,疑問・質問なんでもどうぞ!どんな小さなことでも答えします。本研究会役員が対応しています。

 
特別講演
疥癬,白癬と感染防止対策
 
和歌山県立医科大学附属病院 皮膚科 准教授 金澤伸雄先生
午後からは,感染管理をテーマに白癬・疥癬について,臨床的特徴や治療薬・感染対策を講演いただきました。身近でよく耳にする感染症だけに今一度しっかり押さえておきたいと思いました。講演の中で,写真や表をたくさん見せていただき非常に理解しやすかったです。
 
教育講演
領域を問わず“感染対策”“滅菌周辺業務”で 大切なことと最新情報
 
特定非営利活動法人日本感染管理支援協会 理事長 土井英史  
最近の海外学会やJICSA海外研修プログラムから得た情報を基に日本の実践現場で気になる内容を講演していただきました。中でも「病室表面の清掃消毒の改善」については,3本の矢と題して具体的3つの方法の紹介が詳しくありました。1環境サービス作業員の教育の改善・2全表面と医療装置が清掃消毒されていることを確認するチェックリスト・3環境サービス作業員への同時フェードバックを伴う環境の清潔度の評価などの介入措置です.自施設で何ができていて,何ができていないかを確認することが重要です。  
(注:講演資料は,中材業務及び感染対策研究会No137研究会収録に掲載)
 
参加者の皆様方,本日はお疲れ様でした。土井会長の講演の言葉を引用して,『実践現場の全ての方々が実践しなければ感染対策は何の意味もなしませんのでそれを忘れなきよう!』を合言葉に感染対策のみならず中材業務も同じだと感じています。

さぁみなさんと一緒に,本日の学びを明日の実践に活かしていこうではありませんか!!
次回第137回研究会は,H28年10月1日(土)開催予定です。
みなさん,お誘い合わせのうえ奮ってご参加ください。お待ちしております。

以上,本研究会役員 山本典孝が報告いたしました。