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平成27年7月18日(土) 大阪国際会議場グランキューブ大阪 3F
 
  特定非営利活動法人日本感染管理支援協会
土井英史
 
 
皆様。こんにちは。当協会会長の土井でございます。いつも研究会にご参加いただき会を盛り上げていただきまして感謝申し上げます。また、研究会開催にあたり多大なるご協力いただいております各企業の方々にも深く感謝申し上げます。
さて、7月18日(土)に大阪国際会議場で開催いたしました第133回研究会の報告をさせていただきます。 いつもながら早朝からたくさんの参加者の方々がお集まりで、皆様の知識、情報を得て、ご自分の病院などを何とか良い方向へ導きだそうとするお姿には本当に頭の下がる思いです。とにかく"熱心"!!
 
 
 
当研究会の特徴の一つかもしれませんが、はじめの挨拶は会長である私が挨拶をするのではなく、役員が順番で挨拶をさせていただいております。それは参加者の方々にできるだけ近い存在でありたいと言う私の願いでもある為です。今回は"りんくう医療センター 感染管理認定看護師 大野博美さん"が担当してくれました。
 
 
 
それでは、ご講演の内容について簡単にご紹介させていただきますが、もし詳細な内容を知りたい時には、当研究会で当日使用しましたテキストのバックナンバーを購入できますので是非お買い求めいただきご参考にされてください。いずれにしても今回も素晴らしい講師陣にお越しいただきまして、それぞれのお立場から大変有意義なお話しをしていただきました。 当研究会は、滅菌供給業務の方々と感染管理の方々とのCollaborationを目指した研究会でありまして、お互いの領域を理解しあうことは大変意味深いことだと思っております。(当研究会は、日本医療機器学会認定 滅菌技士更新単位だけでなく、感染管理認定看護師 認定審査加算対象研究会としても承認を受けております。感染管理認定看護師の方々、是非お越しください) そこで、今回も広い領域を"とらえる"と言う意味で様々な領域をとらえたプログラム構成となっておりました。

まず最初は、和歌山県の橋本市民病院 診療情報部長 眼科部長 金 桂洙先生に『眼科領域における感染対策』というタイトルで特別講演をしていただきました
 
感染対策を実施するためには、当然ながら感染症を知らなればできないわけですので、眼科領域での感染症概論として平易な言葉でお話をしてくださいました。そのから順序立てて眼科領域の感染対策のお話しをしてくださいましたので、参加されていた方々には本当に分かりやすいお話しだったのではと思いました。私は個人的には『不適切なコンタクトレンズ取り扱いによる感染症』のお話しがとても興味深く拝聴することができ、これはまさしく現代病の一つではないかと思ったくらいのImpactがありました。感染対策を実践する人間としてもコンタクトレンズの消毒などにも気を配らなければならないなと実感いたしました。
金先生、本当ありがとうございました。
 
 
 
特別講演が終了し、続けて『災害関連』ということで、東日本大震災を経験された公益財団法人 宮城厚生協会 坂総合病院 医療安全センター 感染対策室 感染管理認定看護師の残間由美子さんに『災害時、ライフラインが復活するまでの滅菌・消毒業務の対応について』と題してお話しをいただきました。
 

残間さんは実際に東日本大震災を経験されておられますので、その一つづつのお話には迫力があり、かつ、極めて説得力もありましたので、参加者の方々の心に強く訴えたものがあったと思います。お話の内容は、私たちも数多くの報道などで見ておりました災害時の状況も含めた、当時現場にいた方でなければ分からない看護師としての視点からのお話しと、それに伴って滅菌・消毒がどうなるのかと言うことまで幅広くお話しいただきました。私自身、今回のお話を拝聴して、改めて深く思い知らされたことはライフラインが途絶えると、感染管理はもとより、滅菌・消毒業務に問題が生じ、日常何気なく行っていることすらもできなくなることを今更ながらに思い知らされました。私自身“阪神・淡路大震災”を経験していますので、災害時の対応は日頃から気にかけていたつもりでしたが、日常的な準備には怠りのないようにしなければならないなと改めて思い知らされた講演でした。


また、いつも誰もが言っていることではありますが、出来ていないこととして『日常的なネットワークの構築』が本当に大切なんだと思い、このような"つながり"を是非とも構築しておかなければならないと強く感じた次第です。今回改めて東日本大震災のお話しを拝聴し、たくさんの悲しい出来事がありましたが、日本人としては決して忘れてはいけないこととして受け止め、この教訓を生かして後世に語り継がなくてはならないなと心を揺さぶられる講演でした。残間さんありがとうございました。

午後からの講演はガラッとお話が変わりまして『医療機関での清掃の実際』と題して、日本医療・福祉環境サービス協会 副理事長の足立友秀さんにご講演していただきました。私もこの教会の副理事長をしておりまして、ここ20年、医療、介護・福祉施設の特に"清掃"を見ていて、欧米と比しても後れを取っていることは否めませんので、理事長である岡先生(医師)とでこの協会を立ち上げました。ここ数年の欧米の感染対策の変化として、医療環境からの感染のEvidenceがたくさん出てきておりますので、日本としてもハード面、ソフト面共に動く時期が来ていると実感しておりまして、医療機関、介護・福祉施設にとって『清掃』は極めて大きなキーポイントとなってきていると思います。そこで、その"ソフト面"の部分にスポットをあてた今回の講演は、実際の清掃方法を本当に良く知っている方も少ない現状から"質の保証された清掃"とは一体何なのかを考える良いきっけとなったと思います。
 
 
 
足立さんのお話しはとても実践的であり、明日からすぐに使えそうなお話ばかりでした。研究会の時に"常設"される"Q&Aコーナー"で参加者の方の質問にお答えしている手前の男性が足立さんです。足立さん、ありがとございました。
 

プログラムの最後は、教育講演として私の登場です。『欧米のセントラルサービスおよび感染対策のトピックス ~日本としてしなければならないことを探りましょう~』というお題で、この研究会の開催までに得た数か月間のアメリカ、イギリス、ドイツのセントラルサービスや感染対策の情報提供をさせていただきました。詳細は記載いたしませんが、とにかくセントラルサービスの世界も、感染対策の世界も常に変化していることを参加された方々が感じていただけましたら研究会にお越しいただいた価値があったかなと思いっております。私は毎年12~13回渡欧米いたしますが、その様々な情報発信の場を大阪の研究会で行っておりますので、是非皆様大阪の研究会にお越しいただければと思っております。
 
 
今回も多くの展示企業の方々にご協力いただきました。大阪で始めた『スタンプラリー』もすっかり定番となりまして、参加者の方々も必ず各ブースを回ってくれることとなりました。この研究会は、参加者、各企業の皆様のご協力で成り立っております研究会ですので、参加された方々はもちろんのこと、この記事をお読みになった方々も是非お誘いあわせの上ご参加いただけますようお願いしまして今回の報告を終了いたします。今回研究会報告をお読みいただきましてありがとうございました。
 
     
     
     
  以上