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平成29年1月21日(土) 大阪国際会議場
 
     
  今回ホームページ(報告)を担当させていただきます役員の 萱島すが です。今回の138回「中材業務及び感染対策研究会」は施設での取り組み等の研究発表や、ポスター展示、講演を計画し、多数の皆様に参加していただきました。すぐにでも現場の改善に活かせる内容、考えを深めていく必要のある内容、視点を違えて現場を見る機会となった内容など活気のあふれた研究会でした。その時の内容や様子をご紹介させていただきます。  
     
 
研究発表1:山田浩人さん
[中材管理器材の洗浄方法の見直しについて]

予備洗浄に着目し「洗浄方法の統一と洗浄の機械化が継続できるようになった」との具体的な内容でした、さらに経済効果もあったとの事です。
 
 
研究発表2:山本千恵さん
[中央材料部における品質保証と業務の効率化を目指して]

委託業者と業務の見直し、マニュアルの改訂が協働して行われ、業務の効率化を目指した発表でした。参加者みんながマニュアルによる品質保持の大切さを改めて考える機会になり、現場で直ぐに取り組みたいと思った様子です。
 
 
研究発表3:山藤輝之さん
[清拭用マイクロファイバークロス(新品・洗浄再生品)の性能評価について]

清拭用のクロスという新しい着眼点で、洗濯再生後の実験報告でした。とても珍しいクロスの断面を顕微鏡で見せて頂き、参加者共々驚いて聞かせて頂きました。
 
 
研究発表4:坂田辰男さん
[ホロー型PCDを用いたプリバキュームタイプ卓上高圧蒸気滅菌器の評価]

プリバキュームタイプ卓上高圧蒸気滅菌機の評価が化学的インジケーターの変色確認と、温度計測で行われ、結果内腔内の空気排除並びに蒸気浸透性について留意する事が重要との内容でした。 すごく難しい内容でしたが、とても勉強になりました。
 
 
研究発表5:松岡かおりさん
[全国規模の滅菌バックシール強度調査について]

全国の56施設で行われた調査結果報告でした。1回目の調査は各施設で採用されている滅菌バッグ、2回目の調査は指定された滅菌バッグが使用されていました。改めて自施設でのシール状況を確認しようと思われた参加者も多かったと思います。
 
 
研究発表6:井上誠さん
[滅菌コンテナ器材の重量の軽量化への取り組み]

大きなコンテナはついつい器械を入れ過ぎる事もありますが、施設との協力でセット内容の見直しが行われ1種類のみを残して軽量化が行われた事でした。作業者の負担軽減に繋がっていましたが、その時の苦労話もお話頂き会場からも現場での具体的な質問もありました。
 
 
研究発表7:岩佐明さん
[中央材料室・手術室中材における業務統一化への取り組み]

洗浄滅菌エリアの管轄が移行した時期を機会に、業務統一化に取り組まれた発表でした。洗浄剤の統一以外にも3つの統一が達成でき、さらには作業品質の向上が図れたとの事で参加者も熱心に聞かせて頂きました。
 
 
研究発表8:正松本悦子さん
[ディスポ製品のクレーム対応~中央材料部としての取り組み~]

現行のクレーム対応を改善し、クレーム品対応を迅速対応できる取り組みの発表でした。取り扱うディスポ製品はとても多い中、安全な製品を選定する判断材料になり、今回の取り組みが活かされ安全な医療の提供に繋がっている改善報告でした。
 
 
研究発表9:花房陽子さん
[特別病棟における診療材料管理のとりくみ]

中央材料部の経験を活かして病棟での診療材料の管理を行われ、経済効果もあったとの内容でした。「意識改革が重要である」との結論がとても印象的な発表でした。
 
 
質疑応答
今回は9演題発表後に質問者がステージに上がり、直接発表者に質問する形にしました。大勢の中で手を上げにくいので、盛んに質問が行われていました。中でも現場で抱えている改善についての質問が多くあったようです。
 
 
ポスター展示1:多田知有紀
[在宅医療材料管理の現状と課題]

在宅患者の医療材料の払い出しの現状から、中央材料部における問題点や改善点から課題が導き出された発表でした。在宅医療の推進のため中央材料部としての役割がとても重要であると参加者みんなで情報共有しました。
 
 
ポスター展示2:播口智也さん
[ICT院内ラウンドの現状報告]

ICTと感染管理ベストプラスティス委員によるチェック表に基づいたラウンドが実施され、現場の意識、環境整備、手指衛生に改善がみられた発表でした。改善計画書も作成されポスターも見やすい内容でした。
 
 
ポスター展示3:久保 誠
[プラズマ滅菌機更新による業務変更への取り組み]

プラズマ滅菌機の更新に伴い発生した問題点を整理され、各医療機器業者から情報収集しつつ施設とも協議し業務変更した内容でした。効率性の視点から改善できる業務を見つけられた発表で、興味津津な参加者が多かったです。
 
 
展示会場
26社の業者さんに展示して頂きました。ありがとうございました。 スタンプラリーも魅力ですが、業者さんの熱意にはいつも感動しています。新しい情報がたくさん頂けています。
 
 
トピックス:荻田和秀先生(りんくう総合医療センター 周産期センター 産科医療センター長)
[ドラマ“コウノドリ”その後の現状と問題]

テレビ放映された “コウノドリ”は、産婦人科医療の現実や常に抱えている課題が表現されたドラマでした。その内容を紐解きながらの講演で患者や家族、医師など医療スタッフが其々考えられる内容になっていました。動画も盛り込まれてとても、臨場感あふれた時間でとても良かったです。
 
 
特別講演:土井会長
[ “水のいたずら”~セントラルサービスおよび感染対策で是非対応してください!~]

“水のいたずら”ってなんだろう?と思っていましたが、日本や外国でも滅菌機に携わる水の質は重要なのだと教えて頂きました。外国や日本での最新情報を真っ先にこの研究会で教えて下さりました。会長の迫力による新しい情報で、とっても勉強になりました。
 
     
     
  以上